スノーボードを少し斜め上の視点から読み解こう

「スノーボードパーク」という言葉は勝手に使えないNGワード。商標を持っているのは実はあの会社。意外に面白いスノーボードと商標の世界。 スノーボードモンスターも商標登録に挑戦。

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スノーボーダーにとってはほとんど無縁であろう「商標

ゴンドラの中や車中の中で絶対に話題にならない言葉「商標

誰もがGoogleで検索しないキーワード「スノーボード 商標

今回スノーラボでは、そんな全く話題性とニーズがない「スノーボードと商標」という切り口でお届けしたいと思います。

実は、スノーラボを運営するモンスタークリフでは、自社のサービスである「スノーボードモンスター」というワードで商標を登録してみました。
その際、スノーボーダーにとってはほとんど無縁であろう「商標」について色々と面白い事実が見えて来ましたので紹介したいと思います。

そもそも商標とは?

商標

「商標」とは、会社(または個人)が取り扱う商品とかサービスにおいて、他の業者との違いを示すために使う標識のようなものになります。

例えば「コカコーラ」であればコカコーラ社の飲み物であり、
「宅急便」であればクロネコヤマト、「スーパーマリオ」であれば任天堂の商標となります。

商標は、事業者の商品やサービスを他社と明確に区別することで、誤認などを防ぎ、健全な取引や競争を行うことを目的としています。
なので、商標に登録されている文字や記号などを許可なく使うと商標権侵害となり、商標法違反で罰則が科せられます。

ちなみに商標を登録する際にはその商標のジャンル(区分)も指定することになります。

例えば、今回スノーボード用品の買取をメインに行っている当社では、「スノーボードモンスター」というワードで商標を取りましたが、指定したジャンルはウインタースポーツ関連やリサイクル/リユースなどの役務です。

そのため、例えば、TOYOTAが「スノーボードモンスター」という名称の車を作ったとしても全く問題ありませんが、BURTONが「スノーボードモンスター」というスノーボードを作ったら商標権侵害となります。
(当社的には全然ウェルカムですが。)

意外や意外。
「スノーボードパーク」は商標が登録されていた。

ちなみに、「スノーボード」というワードは、そもそも広く一般的な名称のため、商標を登録することはできません。
ですが「スノーボードパーク」というワードには既に商標登録されていました。

つまり、スノーボードパークという言葉は勝手に使えません。

そして、スノーボードパークの目的である、運動施設の提供,娯楽施設の提供というジャンルにおいて、平成8年に商標が登録されています。

では誰が商標を登録したのか・・・

株式会社プリンスホテル」さんです。

スノーボードパークの商標
参考リンク : 特許情報プラットフォーム

平成8年といえば、スノーボードブーム到来の中で、スノーボードパークという概念がまだなかった時期。
先見の明といった意味ではさすがです。

ちなみに、ここで僕はハッとしました。

そう言えば、他のスキー場って、「スノーボードパーク」ではなく、「スノーパーク」というワードを使っているケースが大半だという事実に気づいたのです。

「高鷲スノーパーク」
「黒姫高原スノーパーク」
「奥利根スノーパーク」
「池の平スノーパーク」
「六甲山スノーパーク」

それは、スキーも意識してスノーパークと名付けたのか、もしくはスノーボードパークで既に商標登録がなされているために回避したのかは不明です。
ですが少なくとも、「スノーボードパーク」と謳っている施設は意外や意外、検索した限りありませんでした。

「スノーボード」という商標について

僕たちが考えるウインタースポーツにおける「スノーボード」というワードは、そもそも広く一般的な名称のため、商標を登録することはできません。

ですが、あるジャンルを除きます。
それは「菓子及びパン」と「写真材料

スノーボードの商標
参考 : 特許情報プラットフォーム

前者は、山崎製パン、後者は富士フィルム、どちらも平成8年に既に登録しています。

なので「スノーボード」という名称のパンは山崎製パン以外の会社が作るのはNGとなります。

スノーボードメーカーも当然ながら商標を登録済

BURTONの商標
参考 : 特許情報プラットフォーム

各社スノーボードブランドも商標をきちんと登録しています。

登録名称 権利者
BURTON ザ・バートン・コーポレーション
SALOMON サロモン エス.エー.エス.
LIB TECH マービン マニュファクチャリング インコーポレイテッド
011Artistic 有限会社シーズコーポレーション
NOVEMMBER 株式会社小賀坂スキー製作所
RICE28 有限会社ファンランク
JONES Jones Snowboards LLC
Gentem Stick 玉井 太朗

上記以外にも各社ほぼ商標の登録がなされていました。
サロモンやリブテックなど、日本で展開しているアメアスポーツさんやアドバンスマーケティングさんではなく、本国の会社が登録している形になっています。

ちなみに、ここでは敢えて記載しませんが、そこそこ人気なブランドにも関わらず商標が登録されていないケースもありました。
(僕の検索の仕方が悪かったという可能性もありますが。)

スノーボードモンスターの商標取得までの流れ

スノーボードモンスター商標取得

基本的には、特許事務所へ依頼して完全にお任せするのが通常です。
事前調査を経て、審査を通過して、料金を納付することで商標が登録となります。

結果次第で、「拒絶」となる場合もあり、その際は、意見書・補正書により反論することで審査を突破していく形となります。

今回「スノーボードモンスター」の商標登録は、昨年11月に依頼をかけて、正式な登録は翌年7月でした。
一度、指定した区分にてNGがでたため、意見書を提示した関係で、実質8ヶ月程度かかった形です。

通常であれば6ヶ月程度で完了するようです。
今回の費用については、登録期間10年で、特許庁への印紙代が11万程かかり、合計で20万程度となりました。
期間は10年としたため、年間に換算すると2万程度となります。

なお、登録が完了すると証書が送付されてきます。

まとめ 商標や特許の確認方法

商標を取得する場合、費用はそこそこ高いです。
ですが、スノーボードチームや施設、定期的なキャンプなど、これから長くサービスを提供していく場合には、自分自身のサービスを守るという意味でも商標登録は必須の時代です。

ちなみに、商標の登録有無や、特許の情報は、「特許情報プラットフォーム|J-PlatPat」にて確認が可能です。

今回は商標についてでしたが、「特許」については、FLUXを展開するカーメイトさんや、BURTONなどをはじめ、スノーボードやビンディング製造にかかる特許がメーカー各社からものすごい数がでています。
もはや後発の業者がギアを作るには至難の技なのではと思うレベルです。

ぜひ皆さんも一度、特許・商標情報を調べてみてください。

参考リンク : 特許情報プラットフォーム

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この記事を書いた人

生粋のスノーボーダー。
よくお勧めのブランドは?と聞かれるが、ボードはやはりB-POP、ウェアはジーンズメイト、ブーツはNAKED派。来季はMASSOへ乗り換え検討中。
世界各地をバックパッカー、NZ留学、ヨーロッパ自転車横断を経て東京理科大卒業後、金融業界でサンデーボーダーに転身、その後世界一周を経てスノーボード買取専門店のスノーボード買取モンスター(モンスタークリフ株式会社)を創業。

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