スノーボードのデッキパッド開発。フリーランやグラトリをサポートする新しいコンセプトと目指すべき未来(2020年10月追記)

スノーラボを運営するモンスタークリフ社では、以前よりTHE DAY.HAKUBA 通称「白馬スペシャル」を開発しています。

価格は3万円+TAXとなっており、白馬の山々を滑るために開発したスノーボードです。今シーズンは、GaraGara157cm という白馬ガラガラ沢北斜面を楽しむためだけに開発したモデルを投入予定です。

そして、今回新しいプロダクトとして「グラトリや滑りをサポートするデッキパッド」の開発に着手しています。

今回はそのデッキパッドのコンセプトと最終的に目指すべき形についてのエントリーとなります。

コンセプト

従来のデッキパッドは、あくまでビンディングを外した状態でブーツが滑らないようにするための「滑り止め」という役目に過ぎませんでした。

今回モンスタークリフでは、「滑り止め」という概念を超え、

ワンフットでもある程度滑ることが可能なデッキパッド

の開発を目指しました。

そのため、@breaksnowboyさんに協力をいただき、机上での理論を実際にオーブン粘土で具体化させ、さまざまな形のデッキパッドを製作して試行錯誤を行いました。

フリーランやグラトリをサポートするデッキパッド

「滑り止め」という枠を超えたデッキパッドとはなにか?

大きく2点が特徴となります。

  • 足の内側に対しても力を入れることができる(フロントターンでも足が抜けない)
  • 足の外側に力を押しこめる(バックサイドターンでも踏ん張れる)

そして、出来上がったサンプルデザインはこちら

下記のように、両端に設置して使用することを想定しています。

新コンセプトのデッキパッドの特徴

2度のカント

デッキパッドには、2度のカント(傾斜)が入っています。これにより従来の長細いタイプのデッキパッドより外側に向けて踏ん張れるようになっています。

また、全長はあえて短めに設計しています。これはライダーのブーツサイズに応じて、ビンディングとデッキパッドの出っ張り部分との距離を調整できるようにするためです。

デッキパッドとビンディングとの距離をブーツサイズギリギリまで詰めてセットすることで、デッキパッドでありながらも簡易な装着感を得ることが可能ではないかと想定しています。

マイナス斜度が入った出っ張り

デッキパッドの端部分には、大きな出っ張りがあります。

出っ張りの内側の傾斜は90度ではなくマイナスの斜度となっており、ブーツの内側(親指付け根、かかと部分)を軽くフックできるようになっています。

これにより、ライディング時に足を内側に傾倒してもある程度力を入れることが可能となっています。

内側に力を押し込めることが可能でありながらも、テール側に向けて2度のカント(傾斜)も入っており斜面での滑走がかなりサポートされるではないかという試みとなります。

課題と今後のテスト項目

耐久力
通常のデッキパッドと異なり、デッキパッド全体に加わる力が大きくなると思っています。
そのため、出っ張り部分の接地面を大きく採ることで、ボードとの吸着力を向上させるようにしていますが、この点は今後大きな課題になるかと思っています。

設置箇所
その反面で、出っ張り部分を大きくとることで、長細い胴体部分がボードセンターよりに設置されることとなります。

理想としては、ボードのエッジ部分にギリギリにセットするのが良いのですが、コスト面も含めて左右対称を原則とする場合、どうしても出っ張りの横幅分、デッキパッドがセンター寄りになってしまいます。

上記2点は、テストを重ねて試行錯誤してブラッシュアップする予定です。

3Dデータ公開という最終目標

当社の会社としてのミッションは、「スキー・スノーボードをもっと身近な遊びにすること」です。

もし製品化までこぎ着けた場合は、白馬スペシャル(3万円+TAX)のようにD2C形態(直接消費者に販売する仕組み)を取ることで、誰でも手の届く価格帯を目指すことが前提となります。

その究極系が3Dデータ公開であり、

現在製作しているテスト版デッキパッドについても3Dプリンターで製作しています。

※製品化時においては金型を作り、通常のデッキパッドと同様に工場で生産する予定です。

誰もが自宅の3Dプリンターなどで当社が公開する3Dデータをベースとして自分の足のサイズや使用用途に応じてデッキパッドを3Dプリントできることを目指しています。

SNOVAテスト(2020年9月追記)

3Dプリント テスト版をSNOVAでテストを実施しました。
敢えて片足のビンディングを外し、デッキパッドのみの滑走でここまで滑ることが可能となっています。

なお、セッティングは従来想定とは異なり、下記のようにセットすることでトゥー、ヒールともに比較的踏み込みできる状態となっています。

デッキパッド開発

開発状況 2020年10月

従来のデザインの場合、容積が大きいため成形時にたわみやムラがでてきてしまうため、生産工程上の問題を解消するため表面積をあげるデザインに変更しました。

その上で切削によるプロトタイプを製作しました。
生産のために合理的なデザインを追求した結果、デザインが近未来的なものに近づいています。

またスノーボードに貼るための、両面テープについて3Mさんよりアドバイスをいただき選定を行っています。

ABS樹脂での製作を検討しており、耐久性もクリアしているものの、曲がりへの強度も現状で問題ないものの、実際のシーズンにてフィールドテストが必要と判断し、材料選定及び両面テープ選定を行っています。

さいごに

今回の開発の経緯は、フリーランやグラトリでのライディングのサポートとなりますが、

両足のビンディングを装着することに恐怖があるキッズ、完全な初級者、スノーサーフ、スノースケート的な乗り方など、デッキパッドを通じて新しいスノーボードの遊び方や魅力が再発見できれば、よりスノーライフが楽しくなるのではと感じています。

開発の模様は、ツイッターで随時アップしていますのでぜひフォローください。

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ABOUTこの記事をかいた人

モンクリさん

生粋のスノーボーダー。 よくお勧めのブランドは?と聞かれるが、ボードはやはりB-POP、ウェアはジーンズメイト、ブーツはNAKED派。来季はMASSOへ乗り換え検討中。 世界各地をバックパッカー、NZ留学、ヨーロッパ自転車横断を経て東京理科大卒業後、金融業界でサンデーボーダーに転身、その後世界一周を経てスノーボード買取専門店のスノーボード買取モンスター(モンスタークリフ株式会社)を創業。