必ず冬に雪が降るという神話が崩れた。これからのスキー場がとるべき選択とは

2019-2020シーズンは、雪不足から始まり、コロナウイルスによるスキー場の早期クローズ、そしてクローズとともに3月にかけて雪が降るという非常に厳しいシーズンとなりました。

そして、このニュース。

新潟県内スキー客が過去最少 雪不足と新型コロナ影響

「暖冬で雪不足に悩まされた県内のスキー場。
新潟県が県内57か所のスキー場の利用状況を調べたところ、
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積雪不足で1日も営業できなかったスキー場は、下越地方や中越地方を中心に11か所に上り、全体の延べ営業日数は前年度より34.2%減りました。」

https://news.yahoo.co.jp/articles/5e1138b80da408044646bd929906ddc9e02d91f9

「新潟県内のスキー場を訪れた人の数は前年度より約3割減少し、過去最少だった」とのことでした。

新潟はインバウンドによる集客も大きいため、当然コロナウイルスの影響が多々あったかと思います。

ですが、自分が驚いたことは下記でした。

57か所のスキー場のうち、11か所のスキー場が1日も営業ができなかった。

このニュースは、スキー場客が3割減少という内容がフォーカスされていますが、客足減少よりも、そしてコロナウイルスよりも、そもそも雪不足でスキー場がオープンすらできなかったスキー場が11箇所、つまり全体の20%にあたるスキー場が1日も営業すらできなかったという事実に衝撃を受けました。

冬に雪が降るという神話が崩れた

57か所のスキー場のうち、11か所のスキー場が1日も営業ができなかった

これは、オープンはできたけれど、例年よりオープン日数が極端に少なかったスキー場を含めると、かなりの割合になるのではないかと思います。

今までは、暖冬と叫ばれながらも、なんとか年末までに雪が降る。そして近年では、年末までに雪が降らなかったとしても、最悪でも1月初旬には絶対ドカ雪が降って積雪量がなんとか確保できるという状況でした。

そして、今回の1日も営業ができなかったというニュース。

冬に雪が降るという神話が崩れた

ということを意味しています。

ビジネスのルールが変わるといっても過言ではない、まさに「ゲームチェンジ」が発生したと言えます。

スキー場とは、雪が降ることを絶対的な前提としたビジネス

雪が降らなかったら、季節労働者を雇わず、リフトやセンターハウスも停止、人件費や固定費を抑えれば、出費は最小限になるのではと考える人もいるかと思います。

例えば、リフト。

リフトは索道と呼ばれ、輸送を行う交通機関の一部と定義されています。
そのため、緊急時対応訓練をはじめ、定期メンテンス、故障等の発生状況の報告、国土交通省の保安監査などをはじめ、さまざまな制約を受けます。

白馬47とエイブル白馬五竜の索道安全報告書を見ると、平成30年に行われた一部リフトの修繕だけで、6800万円の修繕費が発生しています。

基本的にスキー場は、雪が降るという前提の中で、将来に向かって準備と広告宣伝を打ちながら進めていくビジネスです。

その中で2019-20シーズンは、雪は降るという前提が崩れたシーズンでした。

そして来年も冬が降るとは限りません。
今回の異常気象は、スキー場やスキー場周辺でビジネスを行っている人にとっては、ある意味でターニングポイントと言えます。

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話が変わりますが、コロナウイルスの影響で飲食店は大きなダメージを受けています。

客が来ない、お店に行きたくても行けないという状況。

これに対して、どのような解決策をとれば良いのか。

ある人は、デリバリーに転換したり、逆に傷が深くなる前に撤退するという話も聞きます。

どちらも正解はわかりません。

各々の店舗は、その立地、客足、客単価を試算して、「店内で飲食をするという前提」で起業し、お店を開店しています。仮にデリバリーにシフトしても、基本の前提が崩れているためあくまで延命処置にすぎません。

雪がなくて、客が来ない(雪がなくて行けない)という状況は、飲食店が抱えるコロナウイルスの影響にも少し重なります。

スキー場も「雪が降るという前提」で営業をしています。雪がないので客が滑りたくても滑ることができない。
これに対してどのような解決策をとれば良いのか。

これも飲食店同様に正解はわかりません。

場所ではなくコミュニティーを作るべきだったのではないか

ニュージーランドには「クラブフィールド」と呼ばれるスキー場が数多くあります。

日本のスキー場とは全く思想の異なるいわば「会員制のスノーフィールド」です。

本当にその山が好きな人たちが集まり、最小のコストで運営しているスキー場です。

参考 / スノーボード・スノボメディア SBN FREERUN
ニュージーランドで魅了されたスノーフィールドカルチャー

僕は10代の頃に、ニュージーランドでキャンピングカーで雪山をまわったり、その後はNZでへ留学などもしていたため、Mtチーズマンやブロークンリバーと言ったクラブフィールドに何度も行きました。

会員制といえど、一般客にも開放されており、善意のコミュニティーによって成り立っている、いわばコミュニケーションを前提としたスキー場です。
クラブフィールドに行けば、初めての場合でも1日に10人くらいからは話しかけられます。

そして、それぞれのメンバーには、そのスキー場に愛着がある、なんとか残したいという想いが根底にあります。

全ての会員は、オフシーズンも含めて1年を通して、なにかしらの形でクラブフィールドに貢献しています。あるクラブフィールドではボランティアをすればシーズンパスがもらえ、なにもしなければ高い料金を払う必要があります。

日本のスキー場で、ここまで突っ込んだことは難しいとは思いますが、日本ではスキー場と顧客は交えることはほとんどありませんでした。

例えば、スキー場ではシーズン開始前にスタッフなどを集めて、「雪乞いと安全祈願」などを行います。

大げさなことではなくても、シーズン券を買った人を招待して、一緒に安全祈願して、スタッフやパトロールの人たちなどと交流する機会を設けるといったことでも良いと思います。

シーズン券を購入してくれた方に、オフシーズンに地方の特産物を送ってあげる等でも良いと思います。

ニュージーランドのクラブフィールドでは、スキー場と顧客、さらにはそこに集う顧客同士のコミュニケーションがとれている割合が異常なほど高いです。

これは、コロナ終息後の飲食店にも当てはまるのではないかと思います。

コミュニティーが強いとその後の回復は早い、そしてソーシャル上ですぐに広がる世の中で、1人でも多く、コアな顧客がいるということほど力強いものはありません。

同じスキー場といえど、これはまさしく、フロー型とストック型のビジネスモデルの違いと言えます。

フロー型とは、一度商品やサービスを売ってしまえばそこで終わってしまう売り切り型のビジネスモデルであり、ストック型は、継続的に収益が入るビジネスモデルです。

これは、スノーラボが前澤ファンドへ提案した内容に通じる、アプリによるコミュニケーションがとれることが前提のスキー場とも言えます。前澤ファンドの提案内容については下記もどうぞ。

前澤ファンドに応募した資料と結果を公開します! 日本初のフリーミアムスキー場運営 #前澤ファンド

2020.04.08

さいごに

ぼく自身、雪不足にも負けないスキー場を経営するための案はありません。

ですが、少なくとも言えることは、コロナだろうと、地震だろうと、雪不足だろうと、今後なにが起こるかわからない状況の中で、スキー場のビジネスにおいても、リスクヘッジをしておかなければならないということかと思います。

それはサマーシーズンへの投資なのか、異業種との協働なのか、規模の縮小なのか、コミュニティー作りなのか。

ただ、それができる体力があるのかないのか。リスクをとれるのか。それに転換できるフットワークの軽さがあるのか。

コロナ状況下の飲食店と同様に、
非常に難しい問題であり、すべてのスキー場が生き残るというのは現実的に難しいと感じています。

アメリカで流行のキャンプ版AirBnBにみる、余っている空き地を「個人所有のスキーエリア」として貸し出すことができたら面白いと思う未来

2018.08.07

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ABOUTこの記事をかいた人

モンクリさん

生粋のスノーボーダー。 よくお勧めのブランドは?と聞かれるが、ボードはやはりB-POP、ウェアはジーンズメイト、ブーツはNAKED派。来季はMASSOへ乗り換え検討中。 世界各地をバックパッカー、NZ留学、ヨーロッパ自転車横断を経て東京理科大卒業後、金融業界でサンデーボーダーに転身、その後世界一周を経てスノーボード買取専門店のスノーボード買取モンスター(モンスタークリフ株式会社)を創業。