スノーボードを少し斜め上の視点から読み解こう

BURTON(バートン)のウェアの偽物を発見。どうして偽物と判断したのかを正規品と見比べながら解説します。

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今回、偶然にバートンのウェアの偽物と思われるものを入手ができたため、その見分け方、正規品との違いを詳しくシェアしたいと思います。

ちなみにアイテムは2004年頃のもので、スノーボード全盛期時代のものかと思います。

そもそもスノーボードの偽物って結構あるの?

BURTON検証

よくBURTONは偽物などがあるという噂を聞くことがありますが、僕の知る限り、バートン限らず、ハード(スノーボードやビンディング、ブーツ)の偽物は見たことがありません。
特にこのご時世であればもはや都市伝説なのではないかと思うくらいです。

その理由は下記3点です。

  • スノーボードの生産工程や市場規模からみて、偽物を作ろうとしても「完全にコストが合わない」
  • 「シーズンもの」という、「冬にしか売れない縛り」がある
  • 日本に運んで売るにも一部ギアは関税が高い

ちなみに下記はBURTON工場での生産工程です。(古いですが。)

スノーボードはかなりの生産工程を踏んでおり、仮にクオリティーの低い偽物を作ったとしても、スノーボードの場合「サイズ」という問題がでてくるため、いくら安くてもサイズがあわなければ使用できないため、販売する側も非常に難しいというのが実情かと思います。

目次

ウェアの場合はどうか

スノーボードウェア

ウェアの場合においても、さまざまなブランドが乱立する中で、スノーボードの場合は圧倒的な人気を誇るハイブランドがあるわけではなく、同様に販売が難しいと思います。

しかもウェアは、パウダースカートやハンドゲーター、リフトパスケースなど機能満載でつくり手からすると最も作るのが難しいアパレルに該当するかと思います。

そして、偽物を製造する業者からすれば、

「市場が小さく売れる季節も限られるスノーボード業界の中で、3万円で通常販売されているウェアの偽物を1万円で売る」

「世界中で人気のハイブランドのアパレルやバッグの偽物を安く売る」

の2択であれば、間違いなく後者を選択するのではないかと思います。市場規模も違いすぎます。

上記から、偽物はほぼ出回っていない! といえるかと思います。

今回のBURTONの偽物のウェアを検証

BURTON

とは言うものの、今回BURTONのジャケットの偽物を発見しています。

2004年頃のもので、今から15年近く前、つまりスノーボード全盛期のものとなります。
スノーボード市場(人口)も今より2倍以上大きかった頃の時代となります。

その頃はBURTON全盛、もしかしたらBURTONの偽物を作れば売れる時代だったのかも知れません。

全体の初見
まず最初に伝えたいのは、「クオリティーが高い」ということです。
たぶん普通に着用していても絶対に分からないかと思います。


DSC_1226

中綿もしっかり詰まっています。

DSC_1228

DSC_1230

内側も見た限り偽物と疑う余地なしです。

DSC_1231

なぜ偽物と判断したのか

下記に詳しく解説します。

1:タグサイズのわずかな違い

上が偽物、下が同年代の本物のジャケットです。

false

true

実際に細かい測ると、タグに記載のロゴのサイズが0.1mm程度異なります。偽物のほうが若干小さくプリントがされています。
タグの背景などは全く同じですが、タグの縫い方が偽物のほうは荒いです。

また、タグの印刷が弱いのか、偽物は若干にじんでしまっています。

BURTONタグ1

BURTONタグ2

通常であれば絶対に気づかないですが、僕たちのようなスノーボードを毎日査定している人間からすると、この小さな違いにも違和感を感じます。

ちなみに縦のサイズも異なります。

タグ

2:製品情報のタグのフォントと日本語が少し違う

BURTONの場合、内側の裾近くに必ず製品タグがついています。
主にモデル名や洗濯での取扱方法などが英語と日本語で表記されています。

tag

偽物はやや印字が薄いのですが、その点については、本物とその場で比較しない限り判断は難しいかと思います。
ですが、1点明らかに異なる点があります。
それは小文字です。

名称2

名称1

(本物) 
ザ・バートンコーポレーション(株)
(偽物)
ザ・バートンコーポレーシヨン(株)

そう、「ヨ」が大文字なのです。。

偽物業者の詰めが甘いです。

たぶんどこかの製造国では、漢字が上手でも、カタカナが苦手だったのかと思います。。

3:全体のクオリティーは高いが見えないところの作りが雑

例えば偽物のポケット部分もみると下記のようにきちんと止水加工までなされています。

DSC_1221

今回の偽物では、中綿もしっかり詰まっており、中綿が飛びでてくることなどもなく、かなりクオリティーが高いと言えます。

個人的には、当時の巷で売っていた激安なウェアより良さそうな感じさえします。

ですが、細かいところでクオリティーの低さが見られます。

例えばフードのファー。
ファーの取り外しが可能になっているのですが縫い目が明らかに雑です。

DSC_1218

下記に関しては、縫い目が完全に波打ってしまっています。

DSC_1217

またパウダースカートに印字されているBURTONのロゴも、後からつけた感が感じられます。

偽

本物

4:ファスナーのつまみが違う

ジップのつまみに「YKK」が刻印されています。
当時のBURTONがYKKの刻印されたつまみを使っていた可能性があるため真偽はわかりません。

ファスナー1

ファスナー2

BURTON自体はYKKのファスナーを使用しておりますが、ファスナーのつまみ部分にはBURTONのロゴ等が入っており、スライダーの裏側にYKKの刻印が入っているケースが大半です。

少なからず同年代のバートンのウェアや現行のウェアなどをみても、ファスナーのつまみ部分にYKKの刻印が入っているものは見当たりませんでした。
(もしかしたらウェアのグレードによってYKKの刻印の入ったつまみを使っていた可能性もあります。)

その他色々と違いがありますが、大きなところは以上です。

まとめ

最初に言った通り、スノーボード業界では偽物を作るメリットがありません。

偽物があるとしたら、15年くらい前のスノーボード全盛期におけるウェアなどが可能性としてあります。
ですが、さすがに15年くらい前のウェアの場合、経年劣化等もあり、とりわけ偽物というクオリティーが低いものであればもはや使用できない状態にあるかと思います。
仮に中古で出回っていたとしても、もはやジャンクに近い超激安な価格であると言えます。

そう言った意味では、現在では本物か否かという点はあまり意識する必要がないのかと思います。

ただ、スノーボード専門のブランドではなく、NorthFaceやPatagoniaといった超有名ブランドにおいては依然として偽物の流通はあるようですので注意が必要です。

今後スノーラボではさらなる偽物を探して検証してみたいと思います。

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この記事を書いた人

生粋のスノーボーダー。
よくお勧めのブランドは?と聞かれるが、ボードはやはりB-POP、ウェアはジーンズメイト、ブーツはNAKED派。来季はMASSOへ乗り換え検討中。
世界各地をバックパッカー、NZ留学、ヨーロッパ自転車横断を経て東京理科大卒業後、金融業界でサンデーボーダーに転身、その後世界一周を経てスノーボード買取専門店のスノーボード買取モンスター(モンスタークリフ株式会社)を創業。

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