スノーボードを少し斜め上の視点から読み解こう

メーカー直販の流れは急務なのか? スノーボード業界とプライシングの限界と分水嶺

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スノーボード人口は徐々に減少傾向になっており原因はさまざまですが、世の中は節約であったり余計なお金をかけないで楽しむということを好む人も多くなっていると肌感覚で感じています。

加えて、円安や原材料高騰などスノー業界においてはかなり逆風が吹いていると言えます。

その中で今後はメーカー直販がスノー業界にも来るのではないかと思っています。

直販ではなくとも、従来のショップに卸して売るスタイルはもはや限界がきており業界全体として重い腰を挙げなければならない岐路に立たされていると感じています。

これ以上価格が上がったときの分水嶺はどこか

製品価格の値上がりについては、円安や原材料の問題があるためメーカーの企業努力では限界があります。

最も重要なのは、分水嶺を見定めることです。

つまり自身のブランドが最大どの価格までであれば市場から受け入れられるのかという点です。

先日WBSで非常に面白い事例がありました。よく目にする100円ショップ販売されている、200円以上の製品についてです。値段が倍だけあって、機能は100円のモノより良いです。
つまり価格が2倍となるため100円のモノと比較して購入者数は1/2になっても問題ありません。

ですが結論としては、200円にすると顧客数は1/2どころではなく全く売れなくなるとのことでした。

この事例は極端ですが、消費者の購買力には一定の限度があり、それを超すとス~っとお客さんが引いていきます。

下記はリフト券に関する個人的な意見です。

代理店ビジネスは価格の許容限界値を超えてしまうのではないか?

従来スキーやスノーボードは代理店を通じてショップに並ぶというのが通常でした。ですが欧米をはじめ、原材料、人件費の高騰や輸送品の高騰に拍車がかかっており、上記図の従来の方法ですと顧客への小売価格がバク上げして中間層であっても購入をためらってしまう価格帯になってしまう可能性があります。

それぞれのブランドの受け入れられる価格については、国やユーザー、ブランディングなどにより大きく異なってきます。

とはいえ、アフリカで新型iphoneを大量に売りたいと思っても国民の所得的に難しいです。

つまり可能な限り、その国で顧客が許容してくれる金額の最大値で販売することこそメーカーとしては一番の利益となります。
このメーカーであれば6万~8万円であれば手の届く範囲だなと考える顧客が多ければ8万円をターゲットとして販売することです。

従来は代理店を挟んでも問題なく顧客の考える金額レンジに収めることができてきました。

ですが円安や配送費高騰などにより、生産~販売までの間に業者や輸送コストが介在すればするほどコストが膨れ上がってしまい、将来的に顧客の考える許容金額から大きく逸脱してしまう可能性があります。

それは仕方がないのかも知れませんが、一定金額ラインを超えるとそのブランドが非常に好きなコア層がメインターゲットとなります。
また販売数は落ちるため代理店は利益を確保するためにさらに販売価格を高くする必要があります。

従来メーカーはブランディング的に一般層にもアプローチしていたのであればその方向転換をする必要があり、その転換ができるのかという非常に難しい問題にも直面します。

逆にメーカーの立場からするとどのような状況なのでしょうか?

メーカーから代理店への卸価格は若干高くなってきているものの、それ以上に販売数は減少に転じるということになります。

これが一定割合を超えるとメーカーの対応策として自分たちで直接売るか、もしくは他の手段も検討するフェーズに移行します。

つまり重要なのはコスト高騰が背景にある中で間接業者が多いほどそのコストは膨らみ、分水嶺となる許容販売金額から逸脱してしまうということです。

メーカーから買うという一定数の顧客

スノー業界の場合、メーカーが直接販売するということはほとんどありませんでした。

メーカーが直接販売するとショップなどの競合してしまい問題が起こるのでは?と考える人は多いです。
牙城を崩したのはBURTONです。

ですが今まわりをみていると、キャンプ・家電・ゲーム・自転車などほとんどの業界でメーカーが直接自社ECで販売し、そのビジネスが成立しています。

直接メーカーが販売していないのは、物理的に配送が難しい自動車くらいかと思います。とはいえ、テスラのような新興企業などは直販となっています。

例えばGOPROなども以前は近くの家電量販店などで購入するケースが多かったですがここ数年はメーカー公式サイトから買うケースのほうが多いのではないでしょうか?

先日SONYストア(SONYのECサイト)でTVを買いました。価格はヨドバシカメラより少しだけ高い金額です。ですがSONY愛の強い自分としてはSONYについてはメーカー公式で買うことが多いです。

このように考える人は確実に一定数います。

直販しないのであれば売る側の裾野の広げるべき

実際にはない架空のビジネスモデルです。

「誰から買うか」がより重視されていく中でスノーボードやスキーもどこかが数ブランド分のメーカー在庫を一元管理して、ライダーやインフルエンサーが直接注文や予約をとるとメーカーが発送、売った人に手数料も入るような仕組みを図解しました。

メーカー直販ではありませんがメーカー直送です。

値段が上がり、買う人が少なくなりさらに値段が上がるというスパイラルから抜けるには販路を拡大するしか手段はありません。

メーカーが直販しなくても、少なくともライダーやインフルエンサーなどにも手数料が落ちることで関係する人はみな潤うような仕組みが必要なのではないかと感じています。

例えば、ショップが販売して、そのショップが例えば楽天で販売することで楽天側の手数料もかかると考えれば、ショップも楽天も経由しない仕組みで売れればライダーへの手数料くらい十分に支払うことが可能です。

ブランディング抜きにして最も製品を売る方法は販売してくれる人を増やすことです。そして業界が活性化するために最もシンプルな方法は稼げる人を増やすことです。

さいごに

そもそも「メーカー直販」というのは、小売業界においては10年以上前の過去の話題といえます。

その上で一般的なメーカーは既に次の10年に向けて、直販だけではなくリユースの引取などを始めとしたサスティナブルな取り組みにもシフトしつつあります。

当社ではどうしているのか?と言えば、代理店を通さずすべて自社で一貫して企画、テストを行い直接中国の工場と交渉してTHE DAY.HAKUBAというスノーボードを生産しています。3万円+TAXという販売価格を実現しています。

また同時に最低下取り価格を定めて、製品の買取まで行っています。

それでも利益を確保しています。やり方次第で業界全体がまだまだ盛り上がれるポテンシャルはあるのではと思っています。

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この記事を書いた人

生粋のスノーボーダー。
よくお勧めのブランドは?と聞かれるが、ボードはやはりB-POP、ウェアはジーンズメイト、ブーツはNAKED派。来季はMASSOへ乗り換え検討中。
世界各地をバックパッカー、NZ留学、ヨーロッパ自転車横断を経て東京理科大卒業後、金融業界でサンデーボーダーに転身、その後世界一周を経てスノーボード買取専門店のスノーボード買取モンスター(モンスタークリフ株式会社)を創業。

コメント

コメント一覧 (1件)

  • はじめまして!

    すごく考えさせられる記事ですし、基本直販の流れは賛成です!!

    SIGNALもそうですよね。
    ずっと乗っていましたが、日本への送料が300USD(3年前なので今はもっと高いかも)でトータルで考えるとそれなりの値段となり、結局今は日本で購入可能な別のブランドの板に乗っています。

    海外ブランドだと海上輸送費が別途かかるので、直販はなかなか難しいかもと感じました(図示であるP2C型ではどこかが在庫を持つとなっているので、こちらならいけそう)。Burtonくらいの規模(お金)があれば、拠点(店舗)を構えられるかもしれませんが。

    (貴社のオリジナルボード欲しいですが、売り切れ 泣)

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